みなさんのお履きになっている靴の革、何の革が使われているか、ご存じですか? 意外とご存じ無い方が多いことと思います。
今月も、革についてのよもやま話を少々。

秋冬のシーズン、起毛素材や毛付きの素材使いは季節感が出ていいものですね。とくに、ここ数年、若い人に最も人気があるのが、「ハラコ」という毛付きの素材です。毛が付いているため、以前は秋冬の使用が多かったのですが、このところ、人気が高く、年間を通じて店頭に並ぶようになりました。

ハラコはその名の通り、お腹の中の子(牛の)、という意味です。稀少であり、また、その名の示すごとく、とても小さく、大変高価です。人気が高いので、靴にもバッグにも よく使用されています。本来、とても小さいし、色の染まり具合のムラもあり、裁断時には毛がパラパラとおちるし、高価だし、、、と、あまり使い勝手の良い素材ではありません。 が、その美しいまでの毛艶、繊細な毛並みには、高くても納得の表情があります。

この人気の高騰のせいでしょうか、稀少なハラコではなく、ポニーの毛皮を代用したり、革ではなく、人工のものを使用しているケースも多く見受けられます。手軽にハラコの風合いを楽しみたい場合には、あまり高価のものより、使いやすいと思います。